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神経特異エノラーゼ(NSE)
採取量
血液 : 1.5 mL
提出量
血清 : 0.4 mL
容器
保存方法
検査方法
ECLIA
基準範囲
16.3 ng/mL 以下
実施料
146点
判断料
144点 (生化学的検査(Ⅱ)判断料区分)
所要日数
1~2日
備考
溶血検体では、NSE値は上昇するため、避けて下さい。
検体安定性
3ケ月
臨床意義
健康なときにはほとんど見られない特徴的な物質を、がん細胞が産生し、血液中などで検出できるものを、 「腫瘍マーカー」として保険収載されている。スクリーニング検査として行われるとともに、 数値の変動はがん細胞の進展とつながるため、治療経過の診断に用いられる。基準範囲による陰性陽性の判定では、 検出率を上げると検査の感度は上昇するが、特異度が下がり、がんでない人が陽性となる。 逆に、特異度を上げると感度が下がることになるなど、腫瘍マーカーは確定診断に向けたひとつの検査であり、 超音波検査や血管造影などの画像、および生検など総合的に診断される。 エノラーゼは解糖系酵素で、3種類のサブユニットα、β、γが2量体となり、αα、ββ、γγ、αβ、αγの5つのアイソザイムがある。 このうちγγおよびαγ型エノラーゼは、神経組織に特異的に存在するため神経特異エノラーゼ(NSE)と呼ばれる。 NSEは肺小細胞癌、神経芽細胞腫、神経内分泌系腫瘍などで高率に検出されることから、治療経過の診断に有用な腫瘍マーカーとして用いられる。 なお、赤血球、血小板やリンパ球にも含まれるので、溶血検体での測定や血清分離の際には注意が必要である。
関連項目
ガストリン放出ペプチド前駆体 SCC抗原 シフラ 癌胎児性抗原(CEA) 塩基性フェトプロテイン(BFP) 組織ポリペプチド抗原(TPA) SPan-1抗原 NCC-ST-439 シアリルLex-i抗原(SLX) CA125 CA72-4