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Ⅰ型コラーゲン架橋N-テロペプチド(NTX)
採取量
提出量
尿 : 3.0 mL
容器
保存方法
検査方法
ELISA
基準範囲
参考値
M             13.0~66.2 nmol BCE/mmol Cr
F(閉経前)       9.3~54.3 nmol BCE/mmol Cr
 (閉経後)       14.3~89.0 nmol BCE/mmol Cr
骨吸収亢進の指標       55 nmol BCE/mmol Cr 以上
副甲状腺摘出術の適応   200 nmol BCE/mmol Cr 以上
悪性腫瘍の骨転移の指標 100 nmol BCE/mmol Cr 以上
実施料
156点
判断料
144点 (生化学的検査(Ⅱ)判断料区分)
所要日数
4~5日
備考
午前中の第二尿をご提出下さい。「腫瘍マーカー」として測定した場合は、「悪性腫瘍特異物質治療管理料」としてのみ保険請求が認められます。
検体安定性
臨床意義
骨芽細胞からⅠ型コラーゲンが分泌され、ヘリクス構造を形成してプロコラーゲンとなる。 次いで、トロポコラーゲンとなる際に、N端とC端の両端が切断される。 切断されたペプチドはそれぞれⅠ型プロコラーゲンN端プロペプチド(PINP)と Ⅰ型プロコラーゲンC端プロペプチド(PICP)となつて血中に放出される。 生成されたコラーゲン繊維はデオキシピリジノリン(DPD)やピリジノリン(PYD)によって架橋構造を形成して成熟する。 また、骨形成では骨型アルカリホスファターゼとオステオカルシンが骨芽細胞から分泌されるため、これらも骨形成マーカーとして有用である。 一方、破骨細胞による骨吸収過程でⅠ型コラーゲン繊維は、Ⅰ型コラーゲン架橋N端テロペプチド(NTX)、 Ⅰ型コラーゲン架橋C端テロペプチド(CTX)、およびⅠ型コラーゲンC端テロペプチド(ICTP)に分解される。 また、一部はさらに分解されて遊離型のDPDあるいはPYDとなって、尿中に排泄されるので、これらは骨吸収マーカーとして汎用される。 臨床的には、骨粗鬆症の診断治療効果の判定や乳癌、前立腺癌、肺癌などの骨転移の診断に用いられている。
関連項目
骨型アルカリフォスファターゼ(BAP) Ⅰ型コラーゲン-C-テロペプチド デオキシピリジノリン(Dpyr) オステオカルシン(BGP)