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Ⅰ型コラーゲン架橋N-テロペプチド(NTX)[血清]
採取量
血液 : 1.0 mL
提出量
血清 : 0.3 mL
容器
保存方法
検査方法
EIA
基準範囲
男性 9.5~17.7 nmol BCE/L
閉経前女性 7.5~16.5 nmol BCE/L
閉経後女性 10.7~24.0 nmol BCE/L
実施料
156点
判断料
144点 (生化学的検査(Ⅱ)判断料区分)
所要日数
3~5日
備考
悪性腫瘍の骨転移診断のために実施された場合には、悪性腫瘍特異物質治療管理料として算定します。 「オステオカルシン」「NTX」「DPYR」を併せて実施した場合は主たるもののみ算定できます。
検体安定性
臨床意義
骨芽細胞からⅠ型コラーゲンが分泌され、ヘリクス構造を形成してプロコラーゲンとなる。 次いで、トロポコラーゲンとなる際に、N端とC端の両端が切断される。 切断されたペプチドはそれぞれⅠ型プロコラーゲンN端プロペプチド(PINP)と Ⅰ型プロコラーゲンC端プロペプチド(PICP)となつて血中に放出される。 生成されたコラーゲン繊維はデオキシピリジノリン(DPD)やピリジノリン(PYD)によって架橋構造を形成して成熟する。 また、骨形成では骨型アルカリホスファターゼとオステオカルシンが骨芽細胞から分泌されるため、これらも骨形成マーカーとして有用である。 一方、破骨細胞による骨吸収過程でⅠ型コラーゲン繊維は、Ⅰ型コラーゲン架橋N端テロペプチド(NTX)、 Ⅰ型コラーゲン架橋C端テロペプチド(CTX)、およびⅠ型コラーゲンC端テロペプチド(ICTP)に分解される。 また、一部はさらに分解されて遊離型のDPDあるいはPYDとなって、尿中に排泄されるので、これらは骨吸収マーカーとして汎用される。 臨床的には、骨粗鬆症の診断治療効果の判定や乳癌、前立腺癌、肺癌などの骨転移の診断に用いられている。
関連項目
デオキシピリジノリン オステオカルシン Ⅰ型コラーゲン-C-テロペプチド